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更新日:2021年11月24日

令和3年第4回定例会(知事提案説明要旨)

提案説明に先立ちまして、謹んで一言申し上げます。
藤島正孝元議長には、先月26日にご逝去されました。
県議会議員を6期務められ、県勢の発展にご尽力いただきました。
ここに哀悼の意を表し、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
次に、令和3年第4回定例会の開会に当たり、提出いたしました議案等の説明と報告を申し上げます。

新内閣への期待と「新しい茨城」づくり

先月4日に発足した岸田内閣は、衆議院議員総選挙を経て、今月10日、第2次岸田内閣として新たなスタートを切りました。

総理は、新型コロナウイルス感染症対策を最優先課題に位置付け、また、「新しい資本主義」の実現に向け、成長のための投資と改革に大胆に取り組むとともに、分配のための新たな仕組をつくり、動かしていくとの方針を示されております。

岸田総理には、コロナ禍により疲弊し、経済と雇用の立て直しが待ったなしの地方の声にしっかりと耳を傾け、地域の実情に合った実効性の高い政策を、スピード感を持って実行していだたくことを強く期待しているところです。

そうした中、政府においては、新型コロナウイルスの感染拡大防止や「新しい資本主義」の起動などを柱とする事業規模約79兆円の新たな経済対策を19日に閣議決定しました。

県といたしましては、今後、経済対策に伴う補正予算などの内容を見極めながら、適切に対応してまいりますとともに、国と連携しながら、カーボンニュートラルやデジタルトランスフォーメーションといった将来的な課題についても積極果敢に挑戦し、「新しい茨城」づくりに取り組んでまいります。

なお、令和4年度からの県政運営の基本方針となる新しい県総合計画につきましては、先月28日、県総合計画審議会に策定を諮問し、議論がスタートしたところであります。

今後、審議会での意見や、県議会の「変革期をリードする新時代の茨城づくり調査特別委員会」での議論などを踏まえながら、策定を進めてまいります。

新型コロナウイルス感染症対策

次に、新型コロナウイルス感染症対策についてであります。

はじめに、新型コロナウイルス感染症により、亡くなられた方々のご冥福を謹んでお祈り申し上げますとともに、罹患された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

国内の新規陽性者数は、先月1日の緊急事態宣言等の全面解除以降も減少傾向が続き、本県におきましても、先月7日には、県独自の対策指針「茨城版コロナNext」の判断指標を約1年3か月ぶりにステージ1に引き下げたところであります。

県といたしましては、過去最大の波となった第5波の検証を行い、第6波への備えとして、入院病床については、国が求める約760床に対し、医師会や医療機関の協力をいただきながら、877床を確保いたしました。

また、自宅療養者が急激に増加したことを踏まえ、軽症者向けの宿泊療養施設を約1,500室から約2,600室に大幅に拡充するとともに、県内約230の医療機関との連携により自宅療養者への診療体制などを構築したところであります。

今後とも、県民の命と健康を守ることを最優先に、医療提供体制の確保に全力を尽くしてまいります。

ワクチン接種につきましては、大規模接種会場の設置や、接種率が相対的に低い若年層への優先接種枠の設定など、市町村と一体となって、戦略的かつスピード感を持って進めてきた結果、10月末までに12歳以上の県民の8割に対し、2回目の接種を完了するとした目標を、26日には達成いたしました。

来月からは、3回目のワクチン接種が開始されますが、県といたしましては、医師会等とも連携し、市町村による医療従事者の確保を支援するなど、接種体制の速やかな構築を進めてまいります。

なお、今月末で一旦終了する県の大規模接種会場につきましては、3回目の接種に向け、国や市町村の動向などを踏まえ、適切な時期に再開してまいります。

今後とも、感染拡大防止と重症化予防に向け、関係機関等と緊密に連携しながら、ワクチン接種をしっかりと進めてまいります。

一方、疲弊した県内経済の早期回復を図るため、先月1日には、「いば旅あんしん割事業」を再開いたしましたが、これまでに、5万人泊を超える予約を受け付けるなど、利用者及び事業者の双方から、大変好評をいただいております。

また、今月2日からは、スカイマーク社が茨城空港の全便の運航を再開するとともに、3日には、国内クルーズ船「飛鳥Ⅱ」が茨城港常陸那珂港区に寄港するなど、新しい動きも出てまいりました。

引き続き、コロナ禍で落ち込んだ観光需要の回復に向け、積極的な施策展開を図ってまいります。

さらに、「GoToイートキャンペーン」につきましては、販売済食事券の利用を再開したのに続き、先月22日からは、プレミアム付き食事券の新規販売を開始したほか、参加店舗の拡大にも取り組んでいるところであり、外食需要の創出にも、しっかりと努めてまいります。

なお、先の第3回定例会でご議決いただきました、売上が減少した事業者を売上規模に応じて支援する新たな一時金制度につきましては、先月29日の受付開始以降、今月19日の時点で1,803件の申請を受け付け、そのうち210件、4,600万円の支給を終えたところであります。

引き続き、制度の周知とともに、速やかな支給に努めてまいります。

県といたしましては、今後とも、感染拡大防止に万全を期しながら、社会経済活動の本格化に向け、先手先手で取り組んでまいります。

森林湖沼環境税の課税期間の延長

次に、森林湖沼環境税の課税期間の延長についてであります。

本県では、平成20年度に導入した森林湖沼環境税を活用し、森林の保全・整備と湖沼・河川の水質保全に取り組んでまいりました。

まず、森林の保全・整備につきましては、特に、私が知事に就任後の平成30年度からの第3期において、従来の間伐を中心とした対策から方針を転換し、経営規模の拡大に意欲的な経営体への支援による森林経営の集約化を進めてまいりました。

その結果、集約化面積は、平成29年度末の約2千3百ヘクタールから令和2年度末には、約1万ヘクタールへと大幅に拡大し、経営体の自立に向けた規模拡大が進むなどの成果が表れてまいりました。

一方、湖沼・河川の水質保全につきましては、高度処理型浄化槽の設置や下水道等への接続の促進、小規模事業所の排水規制など、霞ヶ浦の水質浄化対策を重点的に進め、その結果、霞ヶ浦のCODは、税導入前の1リットル当たり約9ミリグラムから、現在では、約7ミリグラムまで低下いたしました。

しかしながら、近年、霞ヶ浦のCODは、ほぼ横ばいで推移しており、その要因について水環境分野の専門家に伺ったところ、霞ヶ浦の水深が浅いことなどの特徴から、今後、これまでと同様の対策を継続したとしても、短期的にはこれ以上の浄化効果は表れにくく、大きな効果は期待できない、との見解をいただいたところであります。

森林湖沼環境税につきましては、第3期の課税期間が今年度までとなっておりますことから、これまでの対策とその実績や成果について、専門家の評価・意見も含め、しっかりと検証を行ってまいりました。

その結果、森林湖沼環境税を活用した施策につきましては、全体としては一定の効果が出ているものの、霞ヶ浦の水質保全については、短期的には効果が表れにくい現状を踏まえ、従来の枠組みにとらわれず、効果の高い施策に転換、重点化すべきと考え、各種対策を再整理したところであります。

具体的には、森林の保全・整備につきましては、森林経営の集約化3万ヘクタールという意欲的な目標を掲げ、集約化を加速し、自立した林業経営による適切な森林整備と森林資源の循環利用を推し進めていくことにより、森林の公益的機能の更なる発揮と、カーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいりたいと考えております。

湖沼・河川の水質保全につきましては、検証結果を踏まえ、霞ヶ浦における事業量を見直し、水質浄化効果が高いNP型の高度処理型浄化槽の設置促進や、小規模事業所の排水規制の強化などの対策に重点化することにより、霞ヶ浦のCODが現状の水準より悪化することを防ぐ一方で、生活排水対策や畜産対策の拡充により、霞ヶ浦以外の湖沼の水質浄化も進めてまいりたいと考えております。

これらの施策を着実に推進していくためには、所要の財源と事業実施期間を確保する必要がありますことから、今定例会に、課税期間を5年間延長する改正条例案を提出したところであります。

今後とも、県民や市町村、事業者のご理解とご協力をいただきながら、森林の公益的機能の維持・向上や、湖沼・河川の水質保全に積極的に取り組んでまいります。

魅力と特色ある学校づくり

次に、魅力と特色ある学校づくりについてであります。

新たな発想に基づく学校マネジメントの展開と将来の教育現場を担う優れた人材の育成を図るため、来春開校予定校を含む県立中高一貫教育校5校の校長を公募し、今月18日、4名の合格者を決定いたしました。

公募に当たり、今年度は、民間の転職サイトを活用し、全国応募としたことに加え、年齢要件の廃止や任用条件を弾力化したことにより、1,673名の方々に応募いただき、より幅広く、優れたリーダーシップと組織マネジメント能力等を有する人材の確保が図られたところであります。

また、学校運営の活性化や教員の指導力向上を図るため、優秀なミドルリーダーを「主幹教諭」として処遇し、改革意欲を持った若手管理職の養成・登用につなげるとともに、指導力に秀でたスペシャリスト教員を「指導教諭」として処遇し、他校への指導方法の普及や教員への助言などに活躍の幅を広げてまいりたいと考えております。

今後とも、民間の手法を生かした学校経営や、ミドルリーダー、スペシャリストの活用により、魅力と特色ある学校づくりが図られるよう、優秀な人材の確保・育成に取り組んでまいります。

医師確保に向けた取組

次に、医師確保に向けた取組についてであります。

将来、医師として本県の地域医療に貢献する学生に対し、修学資金を貸与する地域枠の定員につきましては、私自ら大学の理事長に働きかけたことなどにより、昭和大学、順天堂大学、北里大学の3大学において、8名分の新増設が決定し、総定員は、9大学、61名となりました。

また、来年度の本県内における臨床研修医採用数は、臨床研修病院における若手医師の指導体制の充実や、インターネットを活用した各病院のPR等を行ってきた結果、過去最多の178名の見込みとなりました。

今後とも、県内外の大学に対する地域枠の新増設に向けた積極的な働きかけに加え、海外医科大学を対象とした修学資金等の活用、更には県内医療機関における教育環境の充実や魅力の発信等により、国内外から広く人材を呼び込むなど、本県の医師不足の解消に向け、医師の養成・確保に全力で取り組んでまいります。

少子化対策

次に、少子化対策についてであります。

本年4月、結婚を望む方々に、より多くの出会いの機会を提供できるよう、「いばらき出会いサポートセンター」に、AIを活用した新たなマッチングシステムを導入するとともに、9月には、コロナ禍においても非接触でのお見合いができるよう、「オンラインお見合い」機能を追加したところであります。

その結果、今年度上期には、お見合い実施が1,068件、そこから交際開始に至ったカップル数が476組と、いずれも昨年度上期の約2倍に増加するとともに、先月までに、6組の成婚者が誕生いたしました。

今後とも、センターの相談体制の充実を図り、インターネットやSNSを活用してPRを強化するなど、若い世代のニーズに合わせた結婚支援を展開することにより、少子化の最大の要因である未婚化・晩婚化対策にしっかりと取り組んでまいります。

ベンチャー企業支援

次に、ベンチャー企業支援についてであります。

将来の株式上場など、本格的な事業展開を目指すベンチャー企業を創出するため、先月、つくばの強みである創薬や医療機器などのライフサイエンス分野のベンチャー企業5社を選定し、国内外にネットワークを有する専門家チームによる支援プログラムを開始いたしました。

このプログラムの実施により、事業戦略の構築や経営人材の獲得といった各企業の課題に応じた支援を行ってまいります。

また、今後、産学官金による連携組織「つくばスタートアップ・エコシステム・コンソーシアム」においては、将来の成長が見込まれる有望なベンチャー企業を選定・公表し、地域が一丸となって販路開拓や資金調達などを集中的に支援する仕組を構築してまいります。

引き続き、行政、大学、研究機関等が一体となって、これらの取組を推進することにより、世界に挑戦するベンチャー企業の創出を図ってまいります。

アクアワールド茨城県大洗水族館20周年記念事業

次に、アクアワールド茨城県大洗水族館20周年記念事業についてであります。

大洗水族館では、開館20周年を迎える今年度、年間を通じて記念事業を展開しており、1万5千匹のイワシによる新たなパフォーマンス「イワシライフ」の公開を皮切りに、夏と音楽をテーマにした企画展「サマーアクアワールド」、国内最多の飼育種類数を誇るサメの魅力を満喫できる「超サメ展」を開催してまいりました。

今月3日からは、ナイトイベントの更なる魅力向上に向け、イルカとアシカのパフォーマンスをリニューアルした「オーシャンナイトライブ~雪月花~」を公開し、大変好評をいただいているところであり、来月11日からは、20周年記念事業のクライマックスとして、世界的人気アニメ「ワンピース」との共同企画イベントを開催する予定となっております。

今後とも、年間を通じて様々なイベントを実施するなど、大洗水族館の魅力向上に積極的に取り組み、季節を問わず多くの皆様に訪れていただくことで、周辺地域の活性化につなげてまいりたいと考えております。

国道461号北沢トンネルの開通

次に、国道461号北沢トンネルの開通についてであります。

常陸太田市下高倉町から折橋町を結ぶ北沢トンネルにつきましては、復興予算を活用し、スピード感を持って整備を推進してまいりましたが、先月23日、全長約1.6キロメートルのトンネルを含む約2.3キロメートルが開通いたしました。

この開通により、道路の幅員が狭く、大型車が通行不能であった区間が解消され、臨海部と山間部を結ぶ骨格が形成されたことに加え、緊急輸送道路としての機能強化と、袋田の滝や竜神大吊橋、花貫渓谷など観光地へのアクセス向上が図られたことにより、今後、地域の発展に大きく寄与するものと期待しております。

偕楽園「左近の桜」の復活を目指す寄附金の募集

次に、偕楽園「左近の桜」の復活を目指す寄附金の募集についてであります。

京都御所に由来する偕楽園の「左近の桜」は、長年にわたり県民の皆様に親しまれてきましたが、令和元年9月の台風15号により、誠に残念ながら倒木してしまいました。

歴史的な経緯や復活を望む多くの県民の皆様の声を受け、私自ら宮内庁長官に要望した結果、本年3月、新たに、京都御所の「左近の桜」の後継苗木をいただくことができたところであります。

この新たな「左近の桜」を新型コロナウイルス感染症からの復興のシンボルとし、県民の皆様と偕に成長を見守りながら偕楽園の歴史を継承していくことを目的として、今月1日、寄附金の募集を開始いたしました。

今後、寄附金などを財源として、植樹環境の整備や育成管理、更には好文亭からの景観改善など、再植のための取組を進めてまいります。

提出議案等

最後に、提出議案等についてご説明申し上げます。

今回の提出議案は、予算の補正に関するもの2件、条例その他19件、報告1件であります。

まず、予算の補正についてでありますが、公の施設の管理運営に関する債務負担行為の設定であり、一般会計で2件、企業会計で4件であります。

条例は、改正するもの5件であります。

改正を行うものとしては、先に申し上げました「茨城県森林湖沼環境税条例の一部を改正する条例」や「茨城県手数料徴収条例の一部を改正する条例」などであります。

条例以外の議案としては14件で、「指定管理者の指定について」などであり、報告は、専決処分の報告であります。

以上で、提出議案等の説明を終わりますが、なお詳細につきましては、議案書等によりご審議の上、適切なご議決を賜りますようお願い申し上げます。

 

このページに関するお問い合わせ

政策企画部政策調整課総務

〒310-8555 茨城県水戸市笠原町978番6

電話番号:029-301-2514

FAX番号:029-301-2039

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