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更新日:2020年4月27日

令和2年4月臨時会(知事提案説明要旨)

令和2年4月臨時会の開会に当たり、提出いたしました議案等の説明と報告を申し上げます。

はじめに、新型コロナウイルス感染症により、亡くなられた方々のご冥福を謹んでお祈り申し上げますとともに、罹患された皆様の一日も早い回復を心よりお祈り申し上げます。

また、県民の命を守るため、強い使命感を持って最前線で治療に携わっておられる医療従事者の方々をはじめ、感染拡大防止にご尽力いただいている全ての皆様に対し、心から敬意と感謝の意を表する次第であります。

新型コロナウイルス感染症の現状

さて、世界各地で感染が拡大している新型コロナウイルス感染症は、依然として収束する見通しが立たず、国内でも都市部を中心に感染者数の増加が続いております。

本県におきましては、先月17日に1例目の感染者が確認されて以降、昨日までの感染者数は、161名にのぼり、うち6名の方が亡くなられております。

現在、濃厚接触者を除く新規の感染者数は、1日当たり2名以下で推移し、発生した複数のクラスターも連鎖を抑えられている状況にありますが、首都圏からの人の移動等による感染拡大の懸念は消えておらず、予断を許さない状況にあるものと認識しております。

そのため、県といたしましては、毎日開催している各保健所長とのテレビ会議などを通じ、地域の感染状況や様々なニーズを細かく共有しながら、刻一刻と変化する状況を的確に把握し、感染拡大防止対策や医療提供体制の確保に努めるなど、先手、先手でスピード感を持って対策を講じてまいりました。

また、県民の皆様に対しては、感染者の感染経路やクラスターの発生状況などの情報を、記者会見や県ホームページ、SNSなどを通じて、きめ細かく発信し、感染者数の増加に伴う不安の払しょくを図るとともに、相談体制の充実に努めているところであります。

感染拡大防止に向けた取組

次に、感染拡大防止に向けた取組についてであります。

県民の皆様には、国内での感染が確認されて以降、手洗いの励行や咳エチケットの徹底、集団感染を防止するための「三つの密」の回避などの取組をお願いしてまいりました。

県内で1例目の感染者が確認された際には、急増する問合せに対応するため、「帰国者・接触者相談センター」を24時間体制へと移行する一方、専門家会議からの助言なども踏まえ、地域活動や教育活動など社会活動の指針となる基本的な考え方を決定し、日常生活への影響を極力抑えながら、感染の拡大防止に全力で取り組んでまいりました。

先月25日には、感染者が東京などの都市部を中心に増加している状況を踏まえ、予防的措置として、近隣県に先駆けて感染拡大地域への移動の自粛、在宅勤務の実施について協力を要請いたしました。

また、今月2日には、都市部との交流が多いつくばエクスプレス及び常磐線沿線などの9市町を「感染拡大要注意市町村」と位置付け、週末及び平日夜間の不要不急の外出自粛を要請したほか、6日には、古河市を追加するとともに、全ての県立特別支援学校及び10市町の県立高等学校等について、5月6日までの臨時休業を決定いたしました。

こうした中、政府においては、東京都など7都府県を対象に緊急事態宣言を発令し、地方への移動を厳に控えるよう要請を行いましたが、それ以降も首都圏からの人の移動に伴う感染が確認されたことから、13日に、感染拡大要注意市町村を全県に拡大し、県内に居住する全ての方に対し、5月6日までの不要不急の外出自粛を要請するととともに、県内全ての県立学校の臨時休業を決定するなど、さらなる予防的措置を講じたところであります。

しかしながら、首都圏からの人の移動が続き、感染者の増加による医療崩壊の危険性が高まりつつあると判断し、今月15日、西村経済再生担当大臣に対し、緊急事態宣言対象区域に本県を追加するよう直接要請いたしました。

その結果、翌16日、緊急事態宣言対象区域が全国に拡大されるのに合わせて、本県は、東京都や大阪府など12都道府県とともに、感染拡大防止に重点的に取り組む「特定警戒都道府県」に指定されました。

この指定を受け、緊急事態措置として、県全域に外出や大規模イベント開催の自粛を要請するとともに、遊興施設や運動施設、飲食店などに対する休業要請等と協力金の給付を発表したところであります。

現在、休業要請に応じていただけない県境の市町村で営業を続けるパチンコ店に対し、新型インフルエンザ等特別措置法第45条に基づく手続きを進めており、今後、施設名の公表や休業の指示など更なる措置を講じてまいります。

今後とも、政府が求める接触機会の8割削減を目指し、外出自粛や休業要請などに協力いただけるよう、さらなる働きかけを行い、感染拡大の防止に取り組んでまいります。

医療提供体制の確保

次に、医療提供体制の確保についてであります。

感染者の継続的な増加により医療提供体制が逼迫しつつある中で、医療崩壊を防ぎ、県民の皆様が安心できるしっかりとした医療提供体制を整えていくことが喫緊の課題となっております。

このため、増加する感染者の入院を一元的に調整するため、医師が常駐する入院調整本部を県庁内に設置するとともに、重症・中等症の患者に必要な医療が提供できるよう、軽症・無症状の患者を宿泊施設等で受け入れる体制の整備を進めてまいりました。

現在、医療機関との調整により受入体制が整っている入院病床は151床でありますが、更なる病床の確保に、引き続き全力で取り組んでまいります。

また、軽症・無症状の患者の受入施設については、宿泊施設の協力を得て既に約230室を確保し、感染症対策の専門家の指導のもと厳格な運用体制により、2つの施設で22人の患者が療養しております。

本日、宿泊施設への迅速な搬送を支援していただくため、自衛隊に災害派遣を要請したところでありますが、重症者等の病床の確保及び自宅療養する軽症者の適切な健康管理のため、引き続き宿泊施設の確保に取り組んでまいります。

併せて、院内感染や患者のいわゆる「たらいまわし」を防ぐ観点から、テントなどを使って診察を行う「発熱外来」設置への協力を県医師会に要請したほか、今後、市中感染が拡大した場合も想定し、ドライブスルー方式などによるPCR検査をさらに拡大していくとともに、医療用資機材の調達・生産を、県内中小企業へ要請し、充分な確保に努めていくなど、医療崩壊を招くことのないよう、全庁一丸となって取り組んでいるところであります。

一方、現在、最前線で治療に携わっておられる医療従事者やその家族の方々に対する中傷や差別が確認されております。

私といたしましては、記者会見の場やSNSなどを活用し、こうした偏見や差別がなくなるよう、引き続き、県民に強く訴えかけてまいります。

また、県民の皆様からのご賛同もいただきながら医師や看護師などの医療従事者を支援するための応援金制度の創設を検討してまいります。

学校休業期間における教育環境の整備

次に、学校休業期間における教育環境の整備についてであります。

県立学校の臨時休業につきましては、先週24日に、現在の感染状況から5月7日の再開は現実的では無いと判断し、5月31日まで休業を延長することを決定いたしました。

収束が見通せず休業期間の長期化も予測されることから、しっかりとその対策を行っていくことが極めて重要であります。

そのため、休業中は、学習課題の提示や授業動画の配信などを通じ、家庭での学習を強力に支援するとともに、分散登校や家庭訪問により、学習状況や健康状態の把握に努めているところであります。

県といたしましては、今後も、感染への不安などを感じる児童生徒の心のケアとして、スクールカウンセラーによる支援を行うとともに、学習に遅れが生じないよう、オンライン学習等に必要な1人1台端末や通信環境などの学習環境について早期に整備してまいります。

また、国に対しては、端末や通信環境の整備への支援、学校再開に向けた具体的な判断基準の提示などについて、引き続き要望してまいります。

本県産業への影響

次に、本県産業への影響についてであります。

毎年約50万人の観光客が訪れる「水戸の梅まつり」は昨年度比約6割減の19万4千人となったほか、県内各地で予定されていた多くのイベントが中止されております。

茨城空港では、国際便が全便運休していることに加え、国内便は札幌便、神戸便の運休が決定し、来月2日以降全便が運休することとなりました。

今月中旬に県内の中小企業や小規模事業者を対象に行った調査では、観光ツアーやイベントの休止等により、特に、ホテルや旅館、バス事業者、飲食店などへの影響が大きく、約9割の事業者で売り上げが減少し、また、製造業においても需要の減少や部品供給の遅れなどにより事業規模の縮小を余儀なくされている企業が増加するなど、厳しい状況が続いております。

県といたしましては、第1回定例会で議決いただいた、中小企業者向けに拡充した融資や利子補給制度等を活用し、中小企業の資金繰り支援などに取り組んでいるところでありますが、感染の収束が依然として見通せず、外出自粛や休業要請等により、事業者に及ぼす影響の一層の深刻化が懸念されることから、早急に次の対策を打ち出していく必要が生じております。

新たな経済対策

こうした中、政府においては今月20日に事業規模117兆円の緊急経済対策を閣議決定し、感染拡大防止策と医療提供体制の整備をはじめ、緊急的な支援策として、中小・小規模企業などを対象とした現金給付及び税の減免、雇用調整助成金の特例措置の更なる拡大、全国民を対象とした一律の現金給付、児童手当の上乗せなどの施策とともに、収束後の反転攻勢に向けた観光イベント支援などの需要喚起策を盛り込んだところであります。

県といたしましては、こうした国の動きに合わせ、新型コロナウイルス感染症対策として、第1回定例会において追加計上した補正予算に続き、今回も、スピード感を持って対応することといたしました。

具体的には、感染拡大の防止や医療提供体制の整備、休業要請等に係る協力金の給付、雇用の維持、中小企業・個人事業主の事業活動の継続に必要な資金繰り支援、子供たちの学習支援など、国の補正予算に関連する事業や本県独自の対策として早急に実施すべき事業を内容とする補正予算を編成したところであります。

こうした取組を通じ、困難に直面している県民の命と健康、生活を守るとともに、この危機を乗り越え、その後の力強い回復につなげてまいりたいと考えております。

オリンピック東京2020大会の延期について

次に、東京オリンピック・パラリンピックの延期についてであります。

東京オリンピック・パラリンピックにつきましては、先月30日、新たな開催日程が発表されました。

今後、茨城カシマスタジアムでのサッカー競技の試合日程や聖火リレー実施日などが決定される予定となっておりますが、世界中の方々に安心して来県いただけるよう、東京2020組織委員会や東京都などと連携し、しっかりと準備してまいります。

提出議案等

次に、提出議案等についてご説明申し上げます。

今回の提出議案は、予算の補正に関するもの1件、報告1件であります。

まず、一般会計の補正予算についてであります。

今回の補正予算におきましては、先に申し上げました感染拡大防止策と医療提供体制の整備等、県民生活等への支援、県内産業等への支援のほか、予備費の増額を行うこととしております。

今回の補正予算の総額は963億33百万円となり、この結果、補正後の一般会計の予算総額は、1兆2、665億4千万円となります。

歳出の主なものについて申し上げますと、

中小企業融資資金貸付金800億円

新型コロナウイルス感染症対策資金貸付金45億72百万円

新型コロナウイルス感染症対策雇用維持助成事業12億57百万円

新型コロナウイルス感染症対策休業要請協力金45億円

感染症予防医療法施行事業20億66百万円

社会福祉施設等新型コロナウイルス感染症対策事業6億69百万円

生活福祉資金貸付原資等助成事業8億円

生活困窮者自立支援事業45百万円

県立学校における1人1台端末整備関連事業3億33百万円

学校の臨時休業に伴う補習等に係る学習等支援関連事業1億82百万円

などであります。

財源といたしましては、国庫支出金等を活用いたしますとともに、所要の一般財源123億97百万円につきましては、一般財源基金からの繰入金を充当することといたしました。

また、債務負担行為は、新規1件であります。

次に、報告は1件で、専決処分の報告であります。

以上で、提出議案等の説明を終わりますが、なお詳細につきましては、お手元の議案書等により御審議の上、適切な御議決を賜りますようお願い申し上げます。

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政策企画部政策調整課総務

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