ホーム > 茨城を知る > 県のご案内 > 知事のページ > 知事発言集 > 令和2年定例会 > 令和2年第2回定例会(知事提案説明要旨)

ここから本文です。

更新日:2020年6月8日

令和2年第2回定例会(知事提案説明要旨)

令和2年第2回定例会の開会に当たり、提出いたしました議案等の説明と報告を申し上げます。

はじめに、新型コロナウイルス感染症により、お亡くなりになられた方々のご冥福を謹んでお祈りいたしますとともに、罹患された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

新型コロナウイルス感染症は、187の国や地域で690万人を超える方が感染し、感染の中心が欧米から、ブラジルやロシア等の新興国へと移るなど、依然としてその勢いは衰えを見せておりません。

一方、国内の新規感染者数は減少傾向が続き、全国に発令されていた緊急事態宣言は、先月14日に本県を含む39県で解除され、25日には東京都など5都道県が対象から外れたことにより、5月末の期限を待たずに全面解除となりました。

本県の感染者数は、昨日までの累計で、168名となっておりますが、厳しい外出自粛や休業要請を行ってきた結果、感染者は急激に減少し、先月5日以降、1か月にわたり新たな感染者は確認されておらず、感染は抑え込まれている状況にあります。

こうした結果は、県民の皆様や事業者の方々の外出自粛や休業要請をはじめとする感染拡大防止策へのご協力や、医療従事者の皆様のご尽力によるものであり、あらためて感謝申し上げます。

(感染拡大防止と社会経済活動の再開に向けた取組み)

次に、感染拡大防止と社会経済活動の再開に向けた取組みについてであります。

社会経済活動を維持しながらウイルスとの長期戦を戦い抜くためには、県内の感染状況などを県民の皆様としっかりと共有しながら、客観的で透明性の高い数値基準に基づいて、段階的に対策の緩和などを進めていくことが、大変重要になってまいります。

そのため、県内の新規感染者数が減少傾向に転じた4月下旬から、感染の拡大防止と社会経済活動の維持との両立を目指し、その手法や基準づくりに着手し、専門家のご意見なども踏まえながら、先月7日に、県独自の対策指針「茨城版コロナNext」として発表いたしました。

この指針においては、県内の感染状況や医療提供体制、都内の感染状況に基づき、現状を4段階のステージで判断し、ステージの変化に応じて外出自粛や休業要請、学校再開等の対策を段階的に緩和もしくは強化することといたしました。

先月14日に本県を含む39県の緊急事態宣言が解除されたことを踏まえ、この指針に基づき感染状況などを総合的に判断し、18日から対策のステージを最大警戒レベルの4から3へと1段階引き下げ、重症化リスクの高い高齢者等を除き、週末を含めた昼間の外出自粛を解除するとともに、お示しした営業再開に向けたガイドラインの遵守を前提に、休業要請の一部を緩和いたしました。

その後も、県内での新たな感染者は確認されず、判断基準がステージ1を維持していることから、25日以降の対策をステージ2へ1段階引き下げ、夜間の外出自粛などを解除いたしました。そして、今月5日には、ステージ1への移行を発表し、本日からの外出自粛と休業要請の全面的な解除、及び学校の再開を決定させていただきました。

このように、これまで段階的に感染防止策の緩和を進めてまいりましたが、今後、感染の第2波、第3波に備え、感染拡大の兆しが見られれば、速やかに対策のステージを上げるなど、感染防止に先手先手で取り組んでまいります。

今後は、ウイルスとの共生を前提として、感染防止対策と社会経済活動のバランスを取りながら両立させるといった新たな道を模索していくことが、私たちの新たなチャレンジであると考え、県民の皆様のご協力をいただきながら、様々な施策に取り組んでまいりたいと考えております。

(医療提供体制の確保)

次に、医療提供体制の確保についてであります。

4月中旬の感染ピーク時には、入院患者数は1日最大80名を超え、病床の稼働率は50パーセントを超えるまで上昇するなど、厳しい状況にありました。現在の入院患者数は3名となっておりますが、今後の第2波、第3波に備え、今の段階からしっかりと対策を進めていくことが重要であります。

まず、PCR検査の体制につきましては、当初50件程度であった県衛生研究所における検査能力を200件程度に増加するとともに、つくば市内の研究機関の検査協力などにより、現在、検査開始当初の約6倍となる1日約300件以上の検査が可能となっております。本県では当初から、医師が必要と判断した全ての方に検査を実施してまいりましたが、今後はさらに、検査対象とする濃厚接触者の範囲の拡大や、無症状者を含めた入院前・手術前の患者への実施、より簡単な唾液を使った検査などの導入を進め、感染者の早期発見による感染拡大防止や、医療従事者の負担軽減を図ってまいります。

また、特に、クラスターの発生や医療崩壊につながるリスクの高い医療機関や高齢者・障害者福祉施設での感染を徹底的に抑えていくことが重要でありますので、医療機関や高齢者施設等の従業者につきましても、県独自に、重症化しやすい方と同様に比較的軽い風邪の症状がある場合でもすぐに相談・受診の上、検査の実施を促すことにより、感染拡大リスクを最小限に抑えてまいります。

さらに、感染防止トレーニングやゾーニング・シミュレーションなどを盛りこんだ高齢者・障害者福祉施設向けの感染対策マニュアルを策定し、施設管理者とともに十分な感染防止対策に取り組んでまいります。

入院病床の確保につきましては、国の推計をベースとして、感染ピーク時に必要な病床数を想定し、病院単位や病棟単位でのまとまった規模の病床確保などを含め、医療機関等との調整に努めているところです。

一方、軽症者療養施設につきましては、これまで公的宿泊施設や民間宿泊施設で175室を確保し、受入れを行ってまいりましたが、先月20日に全員退所となりました。今月からは、受入規模を縮小いたしましたが、今後の第2波に備え、新たな施設の確保にも取り組んでまいります。

医療用物資の確保については、有償・無償を問わず広く物資の提供や製造への協力をお願いしてまいりました。県内外の多くの企業等から協力の申出をいただき、各資材とも2か月分を超える量を確保できる見通しでありますが、引き続き、十分な量の確保に努めてまいります。

なお、4月28日より募集を開始した医療従事者応援金につきましては、これまでに1億6千万円を超える寄付をいただいており、県の予備費も活用しながら、既に23の医療機関に交付し、医師や看護師の方などへの特別手当等として活用いただいております。ご協力いただいた全ての皆様に感謝申し上げます。

(学校再開に向けた取組み)

次に、学校再開に向けた取組みについてであります。

県立高校等におきましては、本日から通常どおりの授業を再開するとともに、市町村立の小中学校におきましても同様の対応を要請してきた結果、本日までに県内すべての市町村において通常授業が再開されたところであります。

再開にあたりましては、授業や部活動の実施、給食の提供などに関するガイドラインに加え、授業時数を確保するための夏季休業期間の活用についての考え方を示すなど、十分に準備を進めてまいりました。

県といたしましては、今後も、オンライン教育の充実など学習の遅れが生じないようにするための取組みや、SNS相談による心のケアの充実など、児童生徒に寄り添った対応を実施していくとともに、意欲ある児童生徒へ質の高い教育を提供していくため、国の補助制度などを活用し、1人1台端末や通信環境の整備など、GIGAスクール構想の実現に向けた対応を早急に進めてまいります。

(県内産業への支援)

次に、県内産業への支援についてであります。

先の臨時会で議決いただいた中小企業・個人事業主向けの融資につきましては、金融機関などと連携し、予算成立後速やかに申請の受付を開始し、県と市町村が協調して行う貸付金も含め、先月末までの融資実行額は、約7,500件、1,400億円を超える見込みであり、また、休業要請協力金については、約7,900件、13億1,500万円の支給を終えたところであります。

引き続き、一日でも早く必要な支援をお届けできるよう、総力を挙げて取り組んでまいります。

雇用の確保等につきましては、県内6か所の就職支援センターの職員を増員し、職業紹介や生活相談、労働相談にワンストップで対応できる体制を整備いたしました。今後も、就職支援センターや外国人材支援センターを活用し、仕事をなくされた方々や外国人、学生の就労と生活の安定を支援してまいります。

また、外出自粛要請により、多大な影響を受けている飲食店をはじめとした事業者や生産者の皆様を、県民一丸となって支えていけるよう、「茨城応援キャンペーン」の一環として、県産品の購入や週に一度の地元飲食店での外食などの呼びかけを開始いたしました。これらに加え、県観光物産協会の「いばらき県産品お取り寄せサイト」をリニューアルし、多くの事業者に参加いただきながら、県産品の販売促進に取り組んでいるところであります。

さらに、「新しい生活様式」に対応したビジネスモデル構築を目的として、タクシー事業者等と飲食店、小売店が連携して行うデリバリー事業に対し、市町村や商工会等とともに支援してまいります。

(新たな感染防止・経済対策について)

次に、新たな感染防止・経済対策についてであります。

このような状況の中、県といたしましては、先の臨時会で議決いただいた補正予算に続き、喫緊の課題に迅速に対応していくため、検査体制の強化や医療機関・社会福祉施設等の感染防止対策への支援、県立学校におけるオンライン学習に必要となる環境整備などと併せて、感染収束後の観光需要の回復に向けて、県内の旅行宿泊料金の割引支援などを内容とする補正予算を編成し、今回提案させていただいたところであります。

一方、政府においては、先月27日に事業規模約117兆円の第2次補正予算案を閣議決定し、家賃支援給付金の創設や、雇用調整助成金、地方創生臨時交付金の拡充などが盛り込まれたところです。

今後とも、医療体制の整備や県内産業等への支援、新しい生活様式への対応をさらに加速させるため、必要に応じて、追加の予算措置等についても検討してまいります。

(令和元年東日本台風からの復旧・復興)

次に、令和元年東日本台風からの復旧・復興についてであります。

被災した中小企業への支援につきましては、被災中小企業復旧支援事業費補助金を活用し、施設や設備等の復旧を支援してまいりましたが、これまでに、129事業者、約14億8千万円の採択を行ったところであります。引き続き、当制度の活用や、専門家による経営相談などを通じ、被災企業が早期に事業再開できるよう支援してまいります。

また、甚大な被害を受け、これまで西金駅から常陸大子駅の間で不通となっておりましたJR水郡線につきましては、西金駅と袋田駅間が、来月4日に運転再開することが決定いたしました。来年夏の全線開通の実現に向け、JR東日本などとも連携し、残る袋田駅と常陸大子駅間の開通に取り組んでまいります。

さらに、久慈川及び那珂川における「緊急治水対策プロジェクト」につきましては、国において、堤防、護岸等の復旧事業を進めているところであり、県といたしましても、新たに開設された「久慈川緊急治水対策河川事務所」に5名の職員を派遣し、本格的な復旧・復興に向け、国と一体となって取り組んでまいります。

(新たな産業廃棄物最終処分場整備候補地の決定)

次に、新たな産業廃棄物最終処分場整備候補地の決定についてであります。

最終処分場は、産業の持続的発展に欠かせない重要なインフラであり、将来にわたる安定的な確保が必要となっております。産業廃棄物の処理は、民間が行うことが基本でありますが、県内において民間設置の管理型最終処分場は新規設置がない中、県関与の管理型最終処分場「エコフロンティアかさま」の埋立進捗も平成30年度末で6割超と進んでいる状況にあります。

県といたしましては、こうした状況を踏まえ、外部有識者による検討委員会や、副知事を議長とする庁内の選定会議において、整備候補地の検討を進めてまいりました。その結果、強固な地盤や地形を活かした施設整備が可能であり、既に開発された現況の地形を利用できるため、生態系への影響が小さいこと、候補地周辺には住居が少なく生活環境への影響が小さいこと、現処分場と同程度の容量が確保され、中長期にわたり安定的な運営が可能であることなどから、「日立市諏訪町地内」を新たな最終処分場の整備候補地として決定し、発表したところであります。

今後は、住民説明会等を通じ、日立市や市民の皆様に、御理解をいただけるよう取り組んでまいります。また、「環境都市宣言」をしている日立市にふさわしいモデル的な施設整備を行うことにより、市民の皆様や企業等との共生を図り、持続可能な循環型社会の形成を推進してまいります。

(医師確保に向けた取組み)

次に、医師確保に向けた取組みについてであります。

最優先で確保に取り組む医療機関・診療科の医師16名につきましては、本年4月から新たに、日立製作所日立総合病院の小児科常勤医師1名、常陸大宮済生会病院の内科常勤医師1名及び非常勤医師3名、土浦協同病院の産婦人科常勤医師2名を確保いたしました。引き続き、本年9月までの目標達成に向けて、全力で取り組んでまいります。

また、常陸大宮済生会病院におきましては、最優先に掲げた診療科ではないものの、これまで小児科の診療を支えていただいてきた自治医科大学からの常勤医師の派遣が難しい状況となったことから、本年4月から新たに東京女子医科大学に寄附講座を設置し、医師の派遣を受けることとなり、7月までに、小児科常勤医師3名を確保できる見込みとなりました。今後とも、県外からの医師確保等により、地域の医療提供体制の確保・充実を図ってまいります。

(茨城空港の利用促進)

次に、茨城空港の利用促進についてであります。

昨年度の利用客数は77万6千人となり、6年連続で過去最多を更新いたしました。

新型コロナウイルスの影響により、国内線、国際線全ての便が運休となっておりましたが、スカイマーク社の福岡便が、今月12日から運航再開することが決定したところであります。

また、茨城空港の愛称につきましては、今月5日に、有識者会議からの提案や県民の方々からのご意見などを踏まえ、国内向けは「茨城空港」、海外向けは、「Ibaraki International Airport」とすることを決定いたしました。

今後も、早期の運航再開に向け、この愛称を効果的にPRしながら、航空会社などへの働きかけを行ってまいります。

(偕楽園の魅力向上)

次に、偕楽園の魅力向上についてであります。

偕楽園の魅力向上策につきましては、公園マネジメントや観光などの有識者による検討会を設置して議論を重ね、その結果を、先月7日に「偕楽園魅力向上アクションプラン」として取りまとめました。先月13日からは、偕楽園拡張部において、民間資金を活用した新たな都市公園の整備手法であるPark-PFI制度を活用した飲食施設の募集を開始したところであります。

引き続き、偕楽園が日本を代表する通年型観光拠点となるよう、関係者が一丸となり、さらなる魅力向上に取り組んでまいります。

(提出議案等)

最後に、提出議案等についてご説明申し上げます。

今回の提出議案は、予算の補正に関するもの1件、条例その他14件、報告1件であります。

まず、一般会計の補正予算についてであります。

今回の補正予算におきましては、先に申し上げた新型コロナウイルスの感染拡大防止策と医療提供体制の整備、県民生活への支援、県内産業への支援などのほか、予備費の増額を行うこととしております。

今回の補正予算の総額は50億8百万円となり、この結果、補正後の一般会計の予算総額は、1兆2,715億48百万円となります。

歳出の主なものについて申し上げますと、
感染症予防医療法施行事業30億84百万円
県立学校先端技術活用教育推進事業1億89百万円
県内宿泊促進事業99百万円
などであります。

財源といたしましては、国庫支出金等を活用いたしますとともに、所要の一般財源10億13百万円につきましては、一般財源基金からの繰入金を充当することといたしました。

条例は10件で、地方自治法第74条第1項の規定に基づき条例制定の請求がなされたため、同条第3項の規定により意見を付して提案する「東海第二発電所の再稼働の賛否を問う県民投票条例」や、新型コロナウイルス感染症等に係る県税の徴収猶予の手続き等を定める「茨城県県税条例等の一部を改正する条例」などであります。

条例以外の議案は4件で、「工事請負契約の変更について」などであります。

次に、報告は1件で、専決処分の報告であります。

以上で、提出議案等の説明を終わりますが、なお詳細につきましては、お手元の議案書等によりご審議の上、適切なご議決を賜りますようお願い申し上げます。

このページに関するお問い合わせ

政策企画部政策調整課総務

〒310-8555 茨城県水戸市笠原町978番6

電話番号:029-301-2514

FAX番号:029-301-2039

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

質問:このページの情報は役に立ちましたか?

質問:このページは見つけやすかったですか?