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更新日:2021年6月2日
「バリアフリーとユニバーサルデザイン、一体何が違うのか」そんな疑問を持つ方も多いと思います。以下にそのポイントを挙げてみます。
項目 | バリアフリー | ユニバーサルデザイン |
---|---|---|
考え方 | ハードや制度などの既存の社会的な障壁を取り除いて改善 | ものづくり等を始める時から全ての人が使いやすいように考慮 |
対象 | 主に障害者、高齢者等を対象として特定のケースに個別に配慮 | 全ての人が共用できる |
コスト | 建築物などのハードの場合、様々なケースに配慮するため設置者側での費用負担も大きくなる | 最初から誰にも使えるような配慮をしているため、事後的な負担がないか、もしくは少ない |
対比例1 |
階段昇降機(後からリフトを付けたことで車いす利用者に対応できるが、他の利用者にはあまり利点がない) |
エレベーター(車いすもそのまま乗り込め、他の利用者にも便利) |
対比例2 |
車いす対応トイレ(車いす使用者以外の障害者等に対応できない) |
多目的トイレ(オストメイト用洗浄機器、ベビーシートなどの設備を設けることで、あらゆる利用者に対応) |
◯この他にも、バリアフリーには「段差の解消・手すり設置」、「施設に点字・音声案内設置」などが、ユニバーサルデザインには「シャンプー識別用の出っ張り」、「カードの切れ込み」、「ドアのレバーハンドル」、「文字の大きさ、色調に配慮し音声ガイドをつけたホームページ」などといったものがあります。
◯ところで、特定のケースだけに配慮し、費用もかかるバリアフリーに取り組むことはムダなのでしょうか。そうではありません。ユニバーサルデザインとバリアフリーは決して相反する概念ではなく、前者が後者を発展的に包含しており、人々がより暮らしやすい社会を目指すという理念においては方向性を同じくするものです。
◯ユニバーサルデザインは、すべての人に共通する課題を解決するための手法です。誰でも年を取れば身体的能力は低下しますし、そうでなくとも病気やケガで一時的に精神的・肉体的に衰えることはあるはずです。
他者の問題に想像力を働かせて真剣に考えることで、自分にとっても暮らしやすい環境づくりが可能となります。この課題に取り組む際には、多様な人がいることを前提とした思いやりや助け合いの精神が大切であり、特別な配慮を感じさせないさりげなさもポイントになります。
◯「ユニバーサルデザイン」というと、「デザイン」という言葉にとらわれて、モノづくりだけといったイメージになりがちですが、ユニバーサルデザインとは「思想」であり、教育、情報、サービスなど、あらゆる分野にその考え方を取り入れることが可能なのです。
◯「ユニバーサルデザインは万人に配慮する」といっても、最初から万人に対応する完璧なものをつくることは困難ですので、ユニバーサルデザインの考え方においては、社会に存在する改良すべきニーズに気づき、具体的な改善策について不断の取り組みを行っていく過程そのものが非常に重要です。
◯つまり、最初から完璧なものができればベストですが、その困難さを認めたうえで、社会システムを今より少しでも改良していこう、という考え方、そのプロセスこそがユニバーサルデザインであると言えます。
従来の鏡 低いところが映らない普通の鏡では、車いすの人や子供には不便です。 |
車いす対応鏡 福祉施設などにある車いす対応の鏡なら低い視点から見ると便利ですが、健常者の視点から見ると正確に映らず不便です。 |
縦長の鏡 鏡を縦長にすると誰にも便利になりました。 |
右きき用ハサミ 大多数の人が使えるハサミですが、左ききの人は使えません。 |
左きき用ハサミ 左ききの人に配慮したハサミでは逆に大多数の人が使えません。 |
両きき用ハサミ 両きき用のハサミなら、誰でも使うことができます。 |
従来の蛇口 回す、という動作は握力の落ちた人や手に障害のある人には難しい場合があります。 |
レバー式蛇口 指先がうまく使えなくても使用できるレバー式の蛇口が登場しました。 |
感知式蛇口 直接触れなくても感知するだけで水が出る蛇口も登場しています。 |
◯前述のように改良を加えられてきた蛇口ですが、様々な用途を考えると、感知してから一定の間しか水が出ないのは不便な場合もあるかもしれません。
◯しかし、そうした新たな改良点を検討し、具体的な改善策を追求する終わりのないプロセスがユニバーサルデザインといえるのです。
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