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更新日:2019年11月14日
重症患者(注1)がせきやくしゃみをすると、結核菌をふくむしぶきが飛び散ります。このしぶきが乾燥して水分が蒸発し、核の部分の結核菌だけが空気中にただよって飛び、これを吸い込むことで周囲の人たちに感染の機会が生じます。
そして結核菌が肺に到着し、増殖し始めると、結核に感染することになります。
注1:結核患者の全てが、感染源となるわけではありません。たんの中に結核菌がでる重症患者は、ほかの人に感染させる恐れが強くなりますが、治療により症状を改善させればほかの人に感染させる危険はなくなります。
結核に感染しても約9割の人は発病せず、さらにその8割の人は一生発病せずに結核菌を抑え込み、結核菌は死滅するか肺の中で冬眠したまま一生を終えます。
一方、結核に感染した人のうち約1割は、すぐに結核を発病すると言われています(初感染での発病、注2)。
すぐに発病しなくても、高齢者や病気により免疫力が低下すると、抑え込まれていた結核菌が再び活動をはじめて、発病することがあります(既感染者の中から発病、注3)。
(注2)初感染での発病:感染後、数ヶ月から2年位の間に発病します。特に乳幼児の場合は体の抵抗力も弱いので、重症化する危険性が高くなります。
(注3)既感染者の中から発病:感染してから長期間経過して発病することがあります。結核が大流行した若い頃に感染した中高年齢層に多くみられ、高齢化で免疫力が落ちたときに発病します。
結核の感染・発病を防ぐには、予防接種・早期発見、そして体力の保持が大切です。
結核の症状:結核のせき(乾いたせきが特徴)、たん、発熱、血たん、胸痛、だるさ、体重減少
せきが2週間以上続いたら結核を疑いましょう。その他、かぜの症状が長く続く場合も、早めに医療機関を受診しましょう。かぜで受診した場合、医療機関でも気付かないことがあります。処方された薬が効かない場合には、結核の疑いがないのか調べてほしい旨を伝えましょう。
定期的に検査を受け、結核の兆候がないかどうかをチェックしましょう。
感染した場合の重症化を防ぐため、乳児はBCG接種を受けましょう。これまでは4歳までが対象となっていましたが、法改正(平成17年4月1日施行)により、接種時期は生後6ヶ月までとなりました。
過度のダイエットや偏食は免疫力を低下させる一因となります。
タバコの煙に含まれる有害物質は約200種類。肺がんの危険性はもちろんのこと、結核の発病にも影響する危険性があります。
疲労が慢性化しストレスが続くと、免疫力の低下を招きます。
高齢者や乳幼児、その他の免疫力が落ちている状態の人は、日頃からの健康管理に注意が必要です。
結核は、昔は不治の病のイメージが強い感染症でした。しかし、現在では結核によく効く薬が開発され、数種類の薬(抗結核薬)を6ヶ月から9ヶ月服用することで、短期間で完治させることができるようになりました。
結核と診断された場合、その患者さんのご家族や周囲の人へ、保健所から「接触者検診」の通知が届きます。結核の早期発見と感染拡大防止のために、保健所の指示に従って検査を受けましょう。感染していた場合は、抗結核薬を飲んで発病を予防します。
※家族に乳幼児がいる場合は、保健所から通知が届く前でも、保健所や医療機関に相談してください。
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