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更新日:2023年4月26日
各林業指導所やきのこ博士館、林業技術センターで対応した野生きのこの名前を調べる相談と県内で発生した毒きのこによる中毒の概要を紹介します。野生のきのこは種類を調べ名前を知るのが難しい上、猛毒を持つものもあるので、食用にする場合は、慎重に選別してください。
なお、名前を調べる相談の「種数」は、相談ごとの重複や名前のわからなかったものも積算しています。
件数:472件
種数:521種(うち毒きのこ132種、有毒山菜・野草類1種)
食用:ヒラタケ……………………………… 50件
ウラベニホテイシメジ……………… 31件
エノキタケ…………………………… 21件
ナラタケ1)………………………… 20件
ワタゲナラタケ2)………………… 11件
有毒:クサウラベニタケ…………………… 25件
コテングタケモドキ………………… 10件
ニガクリタケ………………………… 9件
ハイイロシメジ……………………… 8件
ミネシメジ…………………………… 6件
1)過食注意、2)属名変更、過食注意、中毒系統有
食用:セリ…………………………………… 1件
有毒:タガラシ……………………………… 1件
本年はきのこ・山菜類に係る中毒事例は発生しなかった。
令和4年度は野生きのこ類の相談件数が469件で、持ち込まれたきのこの延べ種数が518種となった。昨年度(相談件数355件、延べ種数644種)に比べると、相談件数は約32%増加し、延べ種数は約20%減少した。
水戸地方気象台発表(ホームページ)の「茨城県気象年報令和4年(2022年)」に、令和4年は年降水量が少なく、年平均気温が平年に比べ高くなったこと、年間日照時間が平年に比べ多くなったことが報告されている。このような気象条件が種数減少の原因と考えられる。
一方、毒きのこの延べ種数は132種と約149%増加した(昨年度53種)。全相談に対する毒きのこが占める割合は、約25%で、昨年度(約30%)より減少した。また、県内では、きのこによる食中毒は発生しなかった。
山菜・野草類に関する相談は、3件あった。
食用きのこの相談件数は4年連続で、1位ヒラタケ(50件)となった。以下2位ウラベニホテイシメジ(31件)、3位エノキタケ(21件)、4位ナラタケ(20件)、5位ワタゲナラタケ(19件)となった。1位のヒラタケは、晩秋から冬にかけて発生する、柄がほとんどない大型のきのこであるが、似たきのこに有毒のツキヨタケがあるので、注意してほしい。
毒きのこでは、1位クサウラベニタケ(25件)、以下2位コテングタケモドキ(10件)、3位ニガクリタケ(9件)、4位ハイイロシメジ(8件)、5位ミネシメジ(6件)となった。
1位のクサウラベニタケは、食用の2位のウラベニホテイシメジと間違いやすいキノコである。茨城県林業技術センターのホームページに両種の見分け方を掲載しているので参考にしてほしい。
2位のコテングタケモドキはテングタケの仲間のきのこである。根元のつばにも特徴があるので、根元からしっかり採取してほしい。
3位のニガクリタケは食用のクリタケと間違いやすいきのこである。ニガクリタケは全体的に黄色味を帯びているのと、きのこをかんで苦いのが特徴である。
4位のハイイロシメジはカサは淡い灰色を帯び根元が大きくふくらみニンニクのようなにおいがするきのこである。
5位のミネシメジはカサが緑色を帯びた褐色のきのこで、石けんのようなにおいがするのも特徴の1つである。
食用きのこと毒きのこが混在することもあるので、1つ1つのきのこをよく見て、慎重に同定してほしい。
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