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ページ番号:10721
更新日:2020年5月26日
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まいたけは,秋にミズナラなどの大径木の根元に発生する「幻のきのこ」です。 天然のものは香りや歯触りが素晴らしく,味もさわやかです。 原木でつくるまいたけは,天然ものに限りなく近く美味しいものです。 手間や技術は多少必要ですが,作りがいがあります。 ここでは,身近な材料でできる栽培方法を紹介します。是非,挑戦してみてください。 |
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写真:プランター栽培で発生したまいたけ |
原木:コナラ,ミズナラ,クヌギ,クリ,サクラ類など種菌:おが菌道具類:鋸,ドラム缶,ブロック,薪などの燃料,トング,フィルター付き栽培袋,洗濯ばさみ,コンテナ,ビニール性蚊帳(新品),ブルーシート(新品),噴霧器,オスバン1000倍液(消毒用),消毒用アルコール,脱脂綿,ポリ手袋,マスク,シャワーキャップ,カッター,テーブル,ボール,おたま,ホッチキス,スコップ,プランター,鹿沼土など。
10月下旬から11月
あらかじめ長め(90センチメートル以上)の長さに切って日陰に置いておき,原木を殺菌する直前に15センチメートルの長さに玉切る。
ドラム缶に湯をわかし,原木が浮き上がらないように重しをして入れ,原木を煮て殺菌する(4~5時間沸騰させる)。
沸騰した湯の中から,トングなどで原木を取り出し,素早く栽培袋に入れ,口を折り畳んで洗濯ばさみでとめる。
清潔な部屋で冷却や植菌を行うことになるが,適当な部屋がない場合は,蚊帳(ビニール製)とブルーシートで簡易な植菌室を作り,内部をオスバンで消毒しておく。袋詰めした原木を消毒したコンテナに入れ,素早くその部屋に運び込み,20℃以下になるまで一晩冷ます。
植菌適期は,12月~2月の極寒期。石鹸で手洗いし,清潔な衣服にマスク,シャワーキャップ,ポリ手袋を装着する。植菌室内で,おが菌びん,カッター,ボール,おたまをアルコールでよく拭き,びんをカッターで切り,おが菌をボールに入れて細かくくずす。袋を開け,木口面におたまで軽く1杯(約50cc)の量を接種し,均等に広げる。袋の口を2~3回折り,ホッチキスで数カ所留める。植菌室→
清潔な室内で,4カ月から6カ月培養する(氷点下と30℃以上にならないように注意)。木の周囲が真っ白な菌で覆われたら明るい環境に移し,周囲が多少褐変するまでおく。培養中にカビが発生したものは,すぐにその場から取り除く。
→
7月上旬までに,水はけのよい林地などの直射日光の当たらない場所を選び,菌に覆われた木を袋から出し,並べて埋め込み,2~3センチメートル程度盛り土する。さらにその上に鹿沼土を掛け散水する。発生直前の9月中旬頃に落ち葉をかけると良質なきのこが収穫できる。
7月上旬までに,プランターに2~4個並べて鹿沼土で埋める。ほだ木から4~5センチメートル上まで盛り土する。枕木をして林地などの直射日光の当たらない場所に置き,散水する。
埋め込み後は,表面が乾く場合,適宜散水する。
収穫期は9月中旬から10月中旬と短い。
きのこの芽が出る前に,雑草や枯れ枝を除いておく。
芽はデリケートで触ると生長しなくなるので注意。
また,雨滴が直接当たると土がはねて傘の裏に付き食べられなくなるので小屋掛け(遮光ネットのトンネルなどの覆い)をするとよい。
きのこの傘の裏の管孔(胞子を作る場所)がぶつぶつして,傘が十分に開いたら,収穫適期。傘の縁に白い隈取りが残っており,傘の裏がすべすべしているうちはまだ生長途上である。
また,きのこ全体の色が薄くなってしまったら,過熟であり品質は劣る。両手で囲み左右に動かすようにして注意深く収穫する。