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ページ番号:9890
更新日:2025年8月18日
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主にりん片(芽基部、果そう基部)、葉、葉柄、果実などに、黒色すす状の病斑を生じ、落葉、落果、裂果を引き起こす。夏から秋にかけては、葉裏に薄い墨を流したような黒色の病斑(秋型病斑)を生じる。
3月中旬頃から、前年に秋型病斑を生じた落葉上に子のう胞子が形成され、5月下旬頃まで降雨によって分散し、伝染源になる。りん片病斑(後に芽基部・果そう基部病斑となる)上に形成された分生子も開花期頃から降雨時に分散して葉や果実への伝染源となる。その後、病斑上に形成された分生子は降雨時に分散して二次伝染を繰り返す。9月以降に秋型病斑を生じた落葉は、翌年の伝染源となる。また、10~11月にはりん片への感染が盛んになり、これも翌年の伝染源となる。
1.落葉は集めて適正に処理する等、翌年の伝染源を減らす。この作業が出来ない場合には、ロータリをかけて、落葉をすき込むだけでも効果が期待できる。
2.発病した部位は見つけ次第必ず除去し、園外に持ち出して、適切に処分する。特に春先に発病したりん片(芽基部、果そう基部)の除去は極めて重要である。
3.防除適期は、催芽~萌芽期(3月下旬)、開花前後(4月上~下旬)、梅雨期(6月下旬~7月中旬)及び収穫後~秋季(9月中旬~11月上旬)である。特に、りん片脱落直前(4月上旬)、落花期(4月下旬)及び果実肥大最盛期前(7月中旬)は重要防除時期であり、この時期にDMI剤(FRACコード3)やDHODHI剤(FRACコード52)の散布は必ず行う。なお、耐性菌の出現を防ぐため同一コードの連用は避けたローテーション散布を行う。
4.薬剤散布量は、10a当たり300リットルを目安に十分な量を丁寧に散布し、かけむらのないように努める。
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果そう基部上の病斑
葉柄上の病斑
果実(幼果)での被害
葉に形成された秋型病斑
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